楽器と楽曲。その他もろもろ考。

  • 2011/07/02(土) 13:20:04

ご存じの通り、私はクロマチックハーモニカ吹きである。

今はクラシックの修行中だが、もともとは演奏のジャンルは特に決まっていない。
どんなジャンルが好きか、というジャンルでカテゴライズするのではなくて、どんなジャンルの中にも、ピンと来る曲、そうでない曲があるように思う。自分が好きだと思う曲を自分の表現で吹くのが楽しい。

聞き手側としたらライブで演奏する曲はある程度ジャンルわけされている方がいいのかもしれないが、今のところ「のん.(相方がいれば相方も含めて)チョイス・のん.テイスト」の楽曲を演奏している。
(現在、好みの傾向はスパニッシュとかラテンとかの傾向にある。もっと追究したい~。)

世間ではハーモニカをオモチャの延長の楽器、と捉える人が多いようだ。
出自は確かにまだ生まれて百数十年の楽器で、バイオリンやピアノなど、クラシック音楽とともに歩んできた楽器の300年の歴史と比べると新参者かもしれない。

まず、プレイヤー人口も少ない。
他の楽器だったら「ピアノで 奏でるクラッシックの夕べ」「ジャズギターライブ」とか、楽器とジャンルがセットで告知されていて、聞き手が聴きたいものをチョイスする。でもハーモニカの場合はたいがいにおいて「ハーモニカで音楽できるんだ?珍し。」がまず先にくる。確かにまだ珍しいけど。私自身、「こんなちっちゃい楽器であんな音楽が奏でられるなんて!」と驚き、魅力にとりつかれたのだから。(それは複音ハーモニカで、楽器の違いさえ知らなかった。過去の日記参照)

今、私はクラシックの先生に師事している。
でもクラシックでなきゃ、音楽でない!と突然目覚めたわけではない。

先生はとっても楽しい方で、でも演奏に関しては真摯でストイックで、ひたむきな情熱をお持ちの方だ。
初めて演奏を聞いた時、その超絶技巧にびっくり!
小さめのコンサートホールで、ピアノとのアンサンブルだった。マイクを使わない生の音で、金属なのに、甘やかな音色だった。
その時すでにクロマチックハーモニカを初めていたので、その演奏が技術的にもどれだけ難しいことかよくわかっており、いっそう驚いた。

それから、数年後、紆余曲折を経て人前で演奏するようになった。
前述の通り、聴いてくださる方は初めてクロマチックを聴く人ばかり。私ごときの演奏でも、楽器のイメージとのギャップに驚き、褒めて下さった。
もちろん嬉しかった。(だから今もずっと続けているのだもの。)

でもその時に、「他のハーモニカ吹きの前で、あるいは先生や他の名だたるプレイヤーの演奏を聞いたことがある人の前で、自信を持って吹けるか。」といつも自問自答していた。
だからハーモニカのコンサートやライブがあると聞けば、あちこちに足を運んだ。ちょっとでも聴いてみたかった。
自分の実力を知るため、でコンクールにも挑戦した。
そんな中に貴重な出会いがたくさんあり、それらが繋がって、ご縁あって今の先生に師事することができた。

根本的なところから一から学び直し。もともとはパッカー奏法で吹いていたのを重音奏法に憧れて独学でタングブロック奏法に変えたため(ハーモニカ関係の人しかわからなくてごめんなさい。)今までの癖がついてるからその矯正には非常に苦労した。やっと、ぼちぼち直ったかなあ?
そして、音色が変わったと言ってもらえるのが嬉しい。

マイクの使い方も変えた。以前はハンドマイクで演奏していたが、スタンドマイクにした。
生の音色が好みだし、特にクラシックの場合はやはり楽器本来の音色で奏でたいと思う。
でもこれは楽器の特性としてトランペットやサックスみたいに生で音量が得られるものではないことから常に貫くのは難しい。
ホンマもんのコンサートホールならば、ホールの反響で、生音で聞こえるけれど、悲しいかな、そんなホールで演奏できる機会はほとんどない。(でもそういうプレイヤーになりたいという夢はあきらめたくない。)
力まかせに鳴らしたとて良い音にはならないし、そうしても音量は足りないし、ライブハウスで演奏するときや、他の楽器とバランスをとる必要があるときは、マイクの力を借りざるを得ない。
楽器本来の音色を尊重したマイクの使い方を研究しないと、と思う。(スタンドで演奏すると鼻息入ったり、喉の音入ったりするもん。)
マイクも楽器の一部、という考え方もあるが、それはギターにエフェクタをかましてアンプを通して演奏している感覚と思う。エレキギターのプレイヤーが良い機材、好みの機材を探し求めるように、それを追求する人がいるのは納得がいく。
お客さんの耳に入るのが完成した音であるべきだ、とも思う。
でもマイクやが無ければ演奏できないプレイヤーであってはいけないとも思う。

こんなことをつらつらと書くきっかけは、先日「どんな素晴らしいプレイヤーであっても、お金を払ってまでハーモニカの音色でクラシックを聴こうとは思わない。」(その他ポップス等はあり?)という意見の人がいるよ、ということを伝え聞いたことから。
私の音が未熟だから、他の人の音を聴く機会を奪ったかな、と。(何人か聴いてから言ってもらいたい。)でもそれがその方のイメージなんだから仕方ない。
おそらくその方はハーモニカが楽器として未成熟な楽器である、と言いたいのではないかと思う。直接聞いたわけじゃないから推測ですが。
前述のとおり、世間全般にそう思われてるフシはあるし、確かにオーケストラを編成するような楽器に比べて一般的でないし、馴染みきってないのも事実。コンクールや機材や楽曲、すべてにわたって色々と充分ではないし。


・・・。
ちょっと悔しいよね。いや、かなり口惜しや~。
(きっと、読んでるハーモニカプレイヤーやファンの方もそうでしょう(^^;)


でもだからこの楽器が愛おしい。まだこれからの可能性をいっぱい期待出来て、それに充分応えられる楽器だと思うから。


悶々と考えているうちに「なんで私ハーモニカやってるんだっけ?」ということから「今までどんな演奏して、なんでここにたどりついたんだったっけ?」「これからどうして行きたいんだ?」といろんなことに思いめぐらせ、そして一部を書いている。

結論。
自分に何ができるか?
地道に練習を重ねて、演奏し続けることだけです。

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